【News113】北朝鮮に自由を!人権映画祭 深刻な人権侵害の実情と拉致問題とトークショー 8本の日韓両国の映画作品を一挙上映 加藤 博

 12月10日から16日は、北朝鮮人権法によって「北朝鮮人権侵害啓発週間」に定められており、政府、地方自治体、大学、NGOなど各団体が創意工夫を凝らして、東京はもとより新潟、山口など全国的な規模で行われた。

 

 拉致問題や深刻な北朝鮮の人権侵害問題を広く理解してもらうにどうすればよいか、という問題意識から意見交換が始まった。また韓国の映画人から国際人権映画祭をすることはできないかとの提案もあった。

 

 そして北朝鮮の人権問題をテーマにして日韓が協力した映画祭をしようと実行委員会を作り、本格的に動き出した。どのような映画作品を上映するのか、作品名が出されたが「北朝鮮に自由を」「北朝鮮に人権を」の趣旨を生かした作品名を揃えることになった。

 今年が北朝鮮の宣伝した「地上の楽園」に帰還船の第1船が出て60年に当たることから、「帰還事業」、あるいは「帰国事業」と呼ばれる一大北送事業で9万3000人もの人が北に渡った事実を思い起こすべき、との観点から「帰還事業」をテーマの1つの柱に、もう一方の柱に現在進行形の、北朝鮮による拉致問題を据えることになった。

 

 映画祭は、拓殖大学を会場に2日間で8本の映画を上映した。第1日目は、「帰還事業」の悲劇と欺瞞、第2日目は朝鮮半島内の深刻な人権侵害の実情、拉致問題に関する作品が紹介された。紙数の問題からすべてを紹介することはできないが、制作に関わった監督や当事者たちのトークセッションを交え、興味深かった。制作事情の背景や俳優論、脚本家に関する話は興味津々であった。

 

 初日に行われた「キューポラのある町」、「未成年 続キューポラのある町」は、北朝鮮に移住する姿を肯定的に描くことに違和感があるという観客の声もあった。当時の時代の雰囲気では当たり前に思えたことが、現代の感覚では推し測れない不可思議と映ったようだった。

 

 「絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして」では、北に渡った母との再会を願う子どもの姿に、観客は時代の強制力というものを感じただろう。「北朝鮮素顔の人々」は、脱北者が日本に定住後に「北」での赤裸々な生活の体験を、誰に遠慮もなしに語っただけあって説得力がある。

 

 また脱北者の悲劇を描いた金泰均監督の「クロッシング」は人知れず涙を誘う力があった。拉致関係では朴信浩監督の「ドキュメント拉致」という実証的なドキュメンタリー作品では拉致問題の闇を想起させるものだ。

 

 これらの意欲的な上映作品だけでは、人間の尊厳の毀損、人権の冒涜はカバーしきれない。次回はこれまで世に出たすべての作品を網羅し、紹介したいものだ。

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